バル ドゥ プランタン & コリネット
1956 オートクチュール スペシャルクリエイション
1956年、女優のグレース・ケリーがモナコのプリンスであるレーニエ3世と婚約。ニューヨークで行われた婚約発表の際、彼女はクリスチャン・ディオールがこのためにデザインした特別なアイテムを身に着けていました。そしてこの婚約発表こそが、プリンセスとメゾンディオールの親密な関係の始まりだったのです。
同年、グレース・ケリーは写真家のユーサフ・カーシュのモデルを務めます。その際、彼女は1956 春夏 コレクションの「フレッシュ」ラインから「フラーム」ドレスを着用しました。
プリンセスとメゾンの関係は、マルク・ボアンの就任後さらに強固なものとなります。マルク・ボアンの作品を特徴づけた繊細なハーモニーとリズムが、彼女のスタイルに共鳴したのです。グレース公妃は、メゾンが彼女に送ったスケッチと自身のパーソナルショッパーであるアニェスのアドバイスに基づき、丁寧に作られたディオールのワードローブをコーディネートして身に着けていました。
1981 春夏 オートクチュール コレクションのドレスのスケッチ
1957 春夏 オートクチュール コレクション、「リーブル」ラインの「バル ドゥ プランタン」は、彼女のワードローブの中でも最もアイコニックなアンサンブルの1つ。当初これは、コートとルベのメゾンによる刺繍が施されたアレウレーヌ製ドレスで構成されたイブニングアンサンブルでした。
プリンセスはコートの丈を短くアレンジし、この写真では「コリネット」ドレスと合わせています。
グレース公妃は、クリスチャン・ディオールの花への情熱を共有していました。花への深い愛情はフローラルモチーフの刺繍に反映されています。この刺繍は、彼女がメゾンから選んだウェアにあしらわれました。
グレース公妃とメゾンの関係が強まったのは、Baby Diorブティックの開店の瞬間です。公妃の後援を得て、1967年11月7日にモンテーニュ通り28番地で開店の式典が行われました。このイベントに際して、彼女は1965 秋冬 コレクションの「サンフランシスコ」スーツを着用しました。
2019年、ノルマンディー州グランヴィルにあるクリスチャン ディオール ミュージアムにて、プリンセスとメゾンとの関係を讃えるエキシビションを開催。公子のモナコ宮殿で保管されていたグレース個人のワードローブから、85点のデザインが特別に貸し出されました。
2019年、ノルマンディー州グランヴィルにあるクリスチャン ディオール ミュージアムにて、プリンセスとメゾンとの関係を讃えるエキシビションを開催。公子のモナコ宮殿で保管されていたグレース個人のワードローブから、85点のデザインが特別に貸し出されました。
© Laziz Hamani ; © Gaumont Pathé Archives ; © Yousuf Karsh/Camera Press/Gamma Rapho ; Collection Dior Héritage, Paris ; © Jacques Rouchon ; © Bettmann/Getty Images ; © Keystone-France/Gamma Rapho